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愛孕(あいよう) 







「せんぱーい!朝倉せんぱーい!」

俺を呼ぶ声は、教室の入り口付近から聞こえてきた。親しげに話す奴で、先輩と呼ぶ奴に心当たりは一人しか居なかった。

「よお、美春。どうした、音夢か?」

「違いますよ。それに朝倉先輩って呼んだじゃないですか。音夢先輩に用があったら音夢先輩を呼んでますよ」

それもそうだと思いつつ、俺は用件を尋ねることにした。

「なら、俺に何の用だ?」

「一緒に帰りましょう」

「音夢は?いらないのか?」

「別にいらなくないですよ。でも、今日は朝倉先輩と帰る気分なんです」

仕方ないな、と呟きながら俺は美春を隣に侍らせ歩き出した。今日は、美春が珍しく前を歩かない。俺の一歩後ろを付いてくるといった感じだった。

「朝倉先輩……桜公園、寄って行きません?」

かったるい―――即答しようと口を開いた。が、その思いは挫けた。美春の表情はいつに無く真面目で、ふざけた態度を取るのは許されないような気がしたからだ。

「…ああ、行こうか」

美春の提案で寄った桜公園で、美春はクレープを食べようと言った。俺は、食べる気分では大いに無かったが、美春一人の分なら奢ってやろうと思ったのだった。

「美春、何がいい?」

美春はあっけに取られたような顔になった。面白くもあったが、俺としては早く注文を聞きたかったのでもう一度聞いた。

「どした、何が良いんだ?」

「あの、朝倉先輩、奢って、くれるんですか?」

美春は遠慮がちに俺に問うた。そのつもりだぞ、という代わりに笑みの表情を作った。

「マジですか!?こんなチャンス滅多に無いですよ!わー、どれにしようかなぁ」

美春の表情は、おごりだと聞いた途端に輝き始めた。そんなに嬉しいのかと俺も嬉しい気持ちになりつつ、美春の希望の注文をした。

「ゴチになりましたー!」

美春はクレープを秒殺すると、ベンチから立ち上がった。

「先輩、先輩のお家にお邪魔しても良いですか?」

「何?別に構わないが、美春なら音夢の奴も大丈夫だろうしな、でもどうして?」

「先輩のお家に行きたいんです」

「変な奴だな。別に不思議なものは無いぞ」

「わかってますよ、そのぐらい。強いて言えば変なものは朝倉先輩ぐらいのものですよ」

「……やっぱダメだ」

「わー!!嘘です、嘘」

美春は笑いながら逃げていった。俺の家の方角に。

「お邪魔しまーす!」

「俺の部屋に来るのか?」

「そうですよ?」

「音夢の奴と遊ぶんじゃないのか?」

「いいえ。今日は朝倉先輩と遊びに来たんです!それに音夢先輩いないじゃないですか」

そうか、と俺は適当に返答しつつ、美春を部屋の中に上げた。すると美春は無遠慮にも、俺のベッドに腰を下ろし窓の外から夕日を見つめ始めた。

「ま、美春だからな」

俺はベッドを断り無く侵略された事もさして気にならなかった。それよりも気になったのが、美春の様子だ。今日の美春は総じて元気が無い。いつものエネルギッシュな姿を見ている故に、余計に気になった。

「美春、どうしたんだ?」

「先輩……お酒、ありませんか?」

美春の眼からは涙が幾筋も伝っていた。真摯な表情は、拒否を許さない。美春の望みはすべて叶えたい。この想いは決して強要されたものではなかった。

「……あるな。確か親父がよく呑んでた奴が。ウィスキーだが、それでいいか?安もんじゃない」

「それが、良いです……」

美春は濡れた双眸をまた、窓の外に向けた。

「美春、水割りだからな。お前の身体でストレートは強すぎるから」

美春はこくんと頷くと、ロックアイスの入ったウィスキー用のショットグラスを手に取り、そのまま一気に傾けた。

「っげほ……けほこほ」

「馬鹿だな。一気になんか飲めるわけ無いだろ」

美春はそれでも余ったウィスキーを飲み干すと、顔を紅潮させていった。

「先輩……喉が熱い…です」

「当たり前だ。ロシアとか、そっちの寒いほうの冬場は子供にさえウィスキーを飲ませる。それ程ウィスキーは飲むと熱を帯びてくるんだ」

「先輩……」

美春はかすれ消えそうな声で俺を呼ぶと、俺にしなだれかかってきた。

「どうした、美春。お前なんか変だぞ」

美春は更に俺に密着してくる。ついには俺の背中に両手を回した。これには俺も狼狽した。美春の身体は柔らかくて、扇情的だったが、まだ冷静に思考する事ができる。

「先輩は…先輩はひどい人です」

「俺が?なんで?」

「美春の、美春は先輩が好きです。愛してます。この気持ちを伝えたくて、示したくて一杯先輩に抱きついたり、近くに居るようにしました。それなのに、先輩は…美春のことなんか妹ぐらいにしか想ってくれなくて、白河先輩や音夢先輩ばっかり見て」

「なっ……何を馬鹿なこと言ってるんだ。お前酔ってるんだろ」

「酔ってませんよ……真剣なんですから。先輩はそうやっていつもはぐらかしてきた。でも美春はそれでも朝倉先輩が好きで、好きで……堪らないんです。どうしていいか分からないんです。ずっと悶々として、身体を持て余したりすると一人でいやらしいことして……」

「美春、もう何も言うな…そんなこと他人にいうもんじゃない」

美春は永遠に乾かないのではと思えるくらいに流れつづける涙を拭って、声を少し張った。

「ダメです。先輩は美春の告白を聞かなきゃいけません。………もう、こんなチャンス来ないかもしれないんですから……」

美春は一度俯いて、俺を見据えた。熱く狂おしい吐息が俺の顔に掛かる。俺の心が甘い疼きに揺らぎ始めたのを感じた。

「先輩、美春に先輩を残してください。美春の身体に沢山、先輩の痕を残してください。痛くても構いません。この先どんなに蔑まれても平気です。ですから、純一さん、美春を抱いてください」

美春の表情はあくまで真摯だ。俺に抱かれる事を切に願っていることがよく分かる。でも、若気の早まりだって事を教えてやらなくちゃいけない。美春はまだ、結婚できるほどの年にもなってないのだから。

「美春、初めての行為ってのはそれだけで神秘性が伴う。心が結ばれて愛し合った男女が、それ以上を求める時初めて行為を交わす。行為は生殖活動じゃない。至上の愛の証だ。結果生殖ができるに過ぎない。美春が俺のことを愛してくれるのは嬉しいけど、今急いで俺と初めてを交わす必要は無いんじゃないか?」

「それでは先輩は美春のことは愛せないと言うんですか?」

美春は心底悲しそうな表情をした。否定―――俺は美春の事を愛する自信は有る―――。けれど、それが美春の初めてを奪う理由になっていいはずが無い。

「美春を愛する事はできる、自信が有る。だけど、そんなもんじゃないんだ。もっと美春には俺よりもいい男が星の数ほど居るということを理解して欲しい。その上で俺が良いと言ってくれるなら、そのときは喜んで美春を抱きたい」

「そんなこと理解できるはずがありません。だって少なくとも私の、美春の中では朝倉先輩が世界で一番素敵な男の子なんですから」

美春はそう言うと、俺の身体を引き寄せ、仰向けに倒れ込んだ。俺が美春の身体に圧し掛かる形となった。そのまま美春は、俺の手を取り自分の胸に宛がった。

「美春……」

「先輩、遠慮はいりません。美春の身体を開発するつもりで隅々まで愛してください」

「馬鹿だな…美春は……」

俺は美春の膨らみに乗っている手を、握るような形に動かした。

「あっ……」

くぐもった美春の声は今のが快感だという事を教えてくれる。空いていたもう一方の手を、美春のスカートの中に差し込んだ。美春の下着の上から、熱くなっている一本の溝に沿って指を這わせる。

「くぅ……せん、ぱいっ…んあっ……」

俺は美春のスカートと下着を剥ぎ取り、直に熱い部分を愛でた。美春の反応が更に敏感になった。

「あっ…ん、ふぅ……っく、はぅ……」

美春の服全てを剥がして、何もかも直に触れられた美春はまた大きく鳴いた。

「ああっ……!ああん………あはぁ…」

美春の固く尖った膨らみの先端に舌を引っ掛けた。舌先で転がすと、身体が跳ねる。

「あっ!先輩……あん、あっ……あああぁ」

口に含んだり、甘く噛んだりすると一層高く鳴いた。

「軽くイッただろ?ん?美春」

「あ……はぃ…」

美春は申し訳なさそうな顔をして俺を見上げた。嗜虐心が俺の脳を支配していく。

「脚を開いて……」

「は…い……」

美春は俺の言うとおりに脚を横に開き、羞恥に顔を背けた。俺は熱く濡れそぼった美春のソコに顔を近づけていった。

「くふうっ……んぁあっ!先輩、先輩ぃ……あうっ!ダメ……です…」

俺の舌が美春の未開発の秘部を這い回る。美春の背中と顎が反り返り、小さな口が開いたままになり、見開かれた瞳からは涙がこぼれていた。

思うまま舌を這わせて、美春を苛んだ。固く閉じられたソコを上下していた舌は、時に顔を見せ始めた美春の肉芽を捕らえ、吸い付いた。その度に美春は甲高い嬌声を上げ、俺を駆り立てた。

じゅる、ぴちゅにちゃっ、くちゅじゅぷっ…………

美春の愛液は甘く、酸っぱく、しょっぱい。舌に絡まる愛液を喉の奥に流し、飲み込んでいく。

「ああ……ん、んん…あ、ふあ…あん」

「美春、もういいだろ……」

「あ、先輩…はい……」

俺は自分の反り返った肉棒を美春の愛液で緩んだ秘部に押し当てた。

「行くぞ、美春」

「あの、優しくしてください……」

「それは保証しかねる」

ずぷっと派手に音を出しながら、俺は美春の中へと進んでいく。

「いっ……やああああ!ああ、あうっ!!」

美春は俺の侵入がよほど痛いのか本当に泣いている。そんな姿が俺の性癖を擽り、もっと痛がらせたく、泣かせたくなる事を知らずに美春は泣きつづける。

「っ……ほら、美春。一番奥まで着いたぞ」

「うっ…うくっ!は、はい…先輩のをお腹の中に感じます。凄く硬くて大きいのを」

「動くぞ」

にちゅ、ぐちゅと粘着質の水音が俺の脳みそを麻痺させる。美春の鳴き声を聞きたくて、激しく抽送を繰り返す。

「ああっ!あっ、んっ…ああん、あっああっ!」

掠れた声は悲痛だったが、今の俺にとっては性欲促進音声だった。

「んああっ!あん!あん!くぁ、あふ!」

徐々に声に湿度が増してきた。美春が快感を覚えるようになっていた。俺の限界も近づいてきていた。

抽送が加速する。意図的に加速しているわけではなく、無意識に美春の中を動き回っているのだ。

「あっああん!あっ、んふ…!んく、ひあっ!」

美春の鳴き声もこれ以上ないほどに高く、大きくなっていた。

思考回路が真っ白に染め上げられていく。何も考えられず、ただ美春の中を使って快感を得ていた。

「美春、そろそろ……中に出すからな」

「えっ……あの、今日は危険日なんです」

「そんなの知ったこっちゃない。勝手に孕んでろ……くっ」

びゅ、びゅうう……びゅる、びゅるっ

「あっ、あぅ!ダメ!先ぱ、あああああああーーー!!!」

俺は美春の中に欲望の全てをぶちまけ、中で暴れまわった。

「あ、ああ……いや……ああ……」

美春も俺の射精と同時に頂点に達したようだ。

身を離すと、ごぽっ、と音を立てて抜けた。ソコから紅く染まった白濁が溢れ出していた。








宵闇のローブを纏った部屋の中、愛を誓い合った男女が語らう。





―――先輩……赤ちゃんができたら、一緒に面倒見ましょうね?



―――ったく、仕方ないな。かったりぃ……















あとがき

美春「あーあ、ついに乙女じゃなくなってしまったんですねぇ」

純一「あてこするような言い方をするな、俺だって少しは後悔してるんだ」

筆者「あれ純一、お前後悔してんの?俺はてっきり愉しんでヤッてるのかと・・・・・・」

純一「何を言ってるんだ!元はと言えば美春がいきなり・・・・・・」

美春「あーっ!そうやって美春の所為にする!!」

筆者「ままま、はっぴーえんどで終わったから良いじゃないか」

美春「私は拒否したのに純一さんは無理矢理・・・・・・ああ音夢先輩、孕んでいたらどうしましょう」

音夢「そーね!もちろん諸々の費用は全部兄さんに請求していいわよ」

純一「ね、音夢!いつのまに俺の部屋に!?」

筆者「あわわわわ・・・・・・しーらないぞしらないぞ、音夢にぶっ殺されるぞー」

音夢「兄さん!!!」

純一「はひ!」

音夢「美春を泣かしたら承知しませんからね!まったくもう!」

純一「へ?ああ・・・わかった」

美春「まあ、とりあえず明日は病院に行きましょ、純一さん♪」

純一「はーい・・・ったくかったるいな」


おわび

ごめんなさい!超18禁ですOTL

愛妾:官能小説は久しぶりなので至らない描写もあるかもしれませんが、勘弁してくださいorz
    D.C.のSSは楽しいですね!これからもすこしずつ投稿していきたいと思っていますので、どうか一度は読んでみてください。それとあつかましいこととは存じますが、何か一言だけでも一文だけで      
    も感想や指摘など貰えたらこれほど嬉しいことはありません。

蓮見 悠様へ:前回は僕の拙い文を掲載していただいたこと、誠にありがとうございます。これからも鋭意精進してまいりますので宜しくお願いします。

ではっ、、また次回。。