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「という事が昨日の水瀬家であった訳だ」

「それで、私達にどうしろと言いたいのですか?」

「ボケとツッコミについて俺と話し合おうではないか」












    ボケとツッコミの話











 とりあえず栞と天野を捕まえて昨日の鬱憤を晴らすことに決めた。

「嫌です」

「それ、キャラが違うから」

「ボケとツッコミが成立しました。これでこの話は終了です」

 やるな、天野。ていうか今のはボケのつもりだったのか。

「70点だな」

「手厳しいですね」

「一言ネタとしては結構高めだとは思うけどな」

「私は無視ですか、祐一さん」

 そこへ栞がむっとした声をあげる。

「おお、栞ではないか。こんな所で会うとは奇遇だなぁ」

「最初からいましたよっ!」

「は? 栞は俺に栞の事が見えてないとでも思ったのか?」

「じゃあどうして無視をしたりしたんですかっ!」

「気のせいじゃないか? 透明人間なら話は別だが」

「だったらどうして今初めて会ったかのように話し始めるんですか!」

「俺はいつだって「相沢さん、何時までとぼけ続けるつもりですか?」………もういいぞ、栞」

「やりましたね、祐一さん」

「………どういう事ですか?」

 どうやら天野を怒らせてしまったようだ。そんな事を気にする俺ではないが。

「どういう事も何も………」

「美汐さんのツッコミを引き出すための演技ですよ」

「栞のノリが良くて助かったよ」

「祐一さんのパスはわかりにくいんです。最初は本気かと思っちゃったじゃないですか」

 前はボケを捌ききれなかった栞も成長したものだ。胸以外は。

「わかったか、天野。一口にボケと言ってもあからさまなものから自然な物まで幅が広いんだぞ」

「私はそのような物を理解したい訳ではありません」

「天野は筋がいいと思ったんだけどな」

「何の筋ですか………」

「ツッコミの筋に決まってるじゃないですか」

「勝手にツッコミ要員にしないでもらいたいのですが……」

 やれやれ、と肩を竦ませながら反論する天野。
 大げさなボディランゲージは芸人の基礎。やはり素質はバッチリのようだ。

「それは無理な相談ですよね、祐一さん」

「ああ、俺と知り合った時点でツッコミかボケか、もしくはどちらもこなすハイブリッドな人材になる運命だからな」

「堂々とそんな事を公言しないで下さい」

「「運命だったと思って諦めてくれ(ください)」」

「………何を言っても無駄のようですね」

「おお! 遂にわかってくれたか、天野」

「大体どうして栞さんまで一緒になっているんですか」

 天野の質問に、ちっちっち、と指を振りながら応える栞。

「考えてみてください。祐一さんの行動に合わせて動く事が出来る。これって以心伝心な感じでドラマみたいじゃないですか!」

 どどーん! と背景に波が上がりそうなポーズを取るのも忘れない。

「そうだ! コントだってドラマみたいなモノだ!」

「ですよね! 祐一さん!」

「即席コントになると演技力と発想力、そしてお互いの信頼があって生まれるものだ!」

「信頼だなんて…… ドラマみたいで素敵です!」

「あの…… いい加減に視線を集めている事に気付いて欲しいのですが」

 天野に言われて周囲を見渡すと、確かにこっちをちらちら見ている生徒が結構いた。

「栞、この調子で日本全国の視線を集めるぞ!」

「はい! 祐一さん!」

 栞と俺でくじけそうな選手とそれを支えるコーチのような構図を取るのも忘れない。

「私は目立ちたくは無いのですが………」

 そうは言いながらも、天野は律儀にもこの場を立ち去らない。さすがは自称物腰上品。

「安心してください、美汐さん」

「何を安心するんですか……」

「じきにこの視線が気持ち良くなるさ、天野」

「相沢さんが言うといやらしい響きを感じます」

「じきに視線を集める事が快感になりますよ、美汐さん」

「栞さんが言っても私の意志は変わりません」

 ばっさり。そんな感じで天野は俺と栞の勧誘をはねのける。
 このままの調子で続けていても、天野がなびく可能性は0に等しい。よって作戦を変更する事にした。

「………そうか、天野は先輩がこんなに頼んでいるのにいい顔をしないのか……」

「そうですね、美汐さんはお友達だと思ったいたのは私だけだったようです………」

 栞もいい感じに調子を合わせてくれている。

「あ、いえ、栞さんは私の大切な友人ですよ! 話の内容があれなものだったので、つい拒絶をしてしまいましたが……」

 よし、いい感じに食いついてきた。
 つまりは『押してダメなら引いてみろ』作戦だ。

「いいんですよ、美汐さん…… 無理はしなくても……」

「ああ、そうだぞ、天野。それに俺はあまり良く思われていないようだし……」

「いえ、無理だなんて…… 相沢さんも偶にある突飛な行動さえなければ良い方ですし」

 みしおのことばのやいばがゆういちにつきささる!
 ゆういちのこころに127ダメージ!

「なぁ、栞… 今、俺は地味にハートブレイクだ……… 俺の行動って突飛か?」

「それは否定しません。今回だってそうですし」

 ゆういちはしおりのことばにとげをかんじた!
 ゆういちのこころに103ダメージ!

「栞…… 俺はもうダメかもしれない……」

「大丈夫ですか! 祐一さん!」

 栞…… 心配してくれるのは嬉しいけれど、止めを刺したのはお前なんだ………

「あ、相沢さん? 大丈夫ですか?」

「天野…… あまりのショックにお前の姿が歪んで見えるよ……」

「すみません。私としたところが、少々思慮にかける発言だったようです」

「いいんだ、天野… ただ、俺達のツッコミとして活躍してくれさえすれば……」

「そうですか…… やはりそれが目的でしたか……」

「ぬおっ! つい口が滑ってしまった!」

「……わざとですか?」

「うん、割と」

「……なんだか力が抜けますね、あなたと話していると」

 天野はがっくりと肩を落とす。

「それにしても美汐さん、大分慣れてきたんじゃないですか?」

「慣れって、一体何を……」

 と、ここまで喋ってから現状を思い出したようである。
 目を伏せたかと思うと、ボンっ! と音が鳴りそうな勢いで顔を真っ赤にし、ふらっと力が抜ける。

「って、危ないっ!」

「大丈夫ですか!? 美汐さん!」

「誰か! 衛生兵(メディック)! 衛生兵(メディーック)!」

「お薬ならここに一杯ありますよ!」

「いや、これは薬じゃどうにもならない…… じゃなくてどっから出した!」

「そんな事聞く人、嫌いです」

「普通は気になるだろ…… じゃなくて今は天野だよ!」

「ああっ! そうでしたね、危うく忘れるところでした」

 ……お前らって本当に友達かと疑いたくなったよ。






 とりあえず、この場は俺が天野を保健室まで運ぶ事で収まった。と信じたい。









    さくっと舞台裏

シロ「いやー、踊り場の話から大分間が空いちゃったねー」

美汐「さも他人事のように言わないで下さい」

シロ「今回は下級生コンビに頑張ってもらいました」

栞「これでまた一つ、祐一さんとの愛がはぐくまれた訳ですね?」

シロ「あー、いや、それはどうだろうねー」

美汐「それにしてもあのような醜態を晒してしまうなんて……」

シロ「いや、醜態というよりも……」

栞「初々しい反応でおいしかったですねー」

シロ(無言で栞から一歩引く)

美汐(あからさまに警戒している)

栞「あれ、二人ともどうしたんですか?」

シロ「いや、何でもない……事もないかな?」

美汐「自覚が無い事は恐ろしいですね……」

栞「なんですか、二人とも。言いたい事があるならはっきり言ってください」

シロ「おっと、そろそろ時間だから雑談はここまで」

栞「なんかわざとらしいです……」

美汐「それでは、遅筆な筆者に愛想を尽かさないで頂ければ幸いです」

シロ「……そういう事はもうちょっとオブラートに包んで言うものじゃない?」

美汐「あなたには直接的に言わないと伝わりませんから」

シロ「そこまで俺の信用って地に堕ちているのか……」





管理人の感想
毎度いつもありがとう御座います、シロさん。
でも、自分のHPの更新の方は良いの?(ぁ