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※当SSは作者の受信した電波によって構成されています。気分を害する恐れがあるので、
原作を愛している人、及びこれからプレイしようと思う人の閲覧をご遠慮いただきたいと思います。
 あ、後ついでに言っておきますと知ったかぶりです。




















     間違いだらけのfate/staynight
          〜電波の受信は十分か編〜








 相変わらずセイバーと桜と藤ねぇは食欲旺盛で我が家の家計を圧迫し、遠坂は朝の弱さを俺に見せつけ、アーチャーは嫌みったらしく俺に小言を言う毎日。
 ……アーチャーの小言を我慢すれば俺にとっては嬉しい限りだ。

 そんな日常も突如崩れる。
 金色の英雄王が現れたからだ。

「久しいな、騎士王。我の物となる為に現世に舞い戻ったか」

「なぁ、セイバー。あの金ぴか、お前の知り合いか?」

「……彼は前回のアーチャー。何故未だに現界し続けているのかはわかりません」

「そこぉっ!金ぴか言うなぁ!」

「うるさいです。金ぴか」

「セイバーにまで……」

 そして落ち込む金ぴか。
 そんなに金ぴかと呼ばれるのが嫌なのか。

「ふ…… まあいい。おとなしく我の物になる決意はできたか?」

「……じは出ますか?」

「ん? 何と言ったのだ?」

「食事は出るのか、と聞いたのです」

「食事か…… 我の許に来れば世界に珍味を毎日食わせてやろう」

「それは本当ですか!?」

「騙されるな、セイバー! 確かに豪華な感じがするけど毎日食ったら飽きるぞ! 珍味は偶に食べるから美味いんだ!」

「た、確かに…… 危うく騙されると事でした」

 騙されるのかよ。オイ。

「それに…… 毎日食べるならやはり手作りの料理が食べたい。金ぴか、貴方に料理はできますか?」

「我を誰と心得る。料理なぞ簡単に作って見せよう」

「じゃ、家の台所を貸してやるから早速料理の腕前を見てやろう」

 金ぴかといわれたのに気付いていないのか、それともセイバーを手に入れられる自信があるのか、意気揚揚と衛宮家へと足を向ける金ぴか。
 それはいいんだけどあいつって家の場所知ってるのか?





    翌日……

「おい、雑種」

 その声に振り向いてみると、昨夜の金ぴかがいた。
 ……着てるのはジャージだが。

「何だ? 俺に何か用があるのか?」

「雑種、貴様の家はどこだ?」

「どうしてそんな事を聞くんだ?」

「昨夜は道に迷ってしまってな…… それで今日改めて我の料理の腕を見せようというのだ」

「ああ、そういえばそういう事もあったなぁ…… ちょっと待ってな、今地図書くから」

「待て、雑種。貴様が直に案内をすればいいだけだろう」

「いや、これから今日の晩の食材を買わなくちゃいけないんだよ」

「食材…… よし、我も付き合うぞ」

「は? どういう風の吹き回しだ?」

「何、食材から我が決めた方がセイバーも喜ぶと思ってな」

「そういう事ならついて来な」



 という訳で、金ぴかと一緒に買い物を済ませて家に帰ってきた。



「ねぇねぇ士郎。あの外人さん誰?」

「藤ねぇ、外人さんは失礼だぞ。アイツはセイバーを追っかけてここまで来たらしいんだ」

「へぇ〜。筋金入りのストーカーさんって事ね」

 いや、ストーカーは堂々と姿を現さないから。

「で、名前は?」

「え?」

「だから、名前」

「いや…… そういえば聞いてないな。セイバー、知ってるか?」

「さあ、私に聞かれても困ります。ずっと金ぴかと呼んでいたものですから」

「らしいぞ。藤ねぇ」

「じゃあ、私も金ぴかって呼んでいいのかな?」

「……やめた方がいいと思う」

「セイバー、待たせたな。我の手料理を存分に味わうがよい」

 無駄話をしてるうちに金ぴかの料理が完成したようだ。
 料理の数々を持って金ぴかが……って、手ぶらじゃん。

「その料理はどこにあるんだ?」

「何、我の蔵に入れてあるだけだ」

 そんな事に宝具を使うなよ……
 この位の距離どうって事無いだろ?

「さあ、見て驚くがよい! これが我の料理だ!」

 そして現れる料理の数々。
 ……驚いた。いや、まじで。
 何か料理と呼ぶのもおぞましい物体が皿に盛られていた。

「さ〜って、お客さんの料理はどんな味かな〜♪」

 その見た目に気付いているのか、それとも味と見た目は反比例、とでも言いたいのか果敢にも藤ねぇはその物体に箸をつける。
 ……あのセイバーだって一歩引いてるぞ。

「……」

 あ、これはやばい。

「そこに直れ! 金ぴかストーカー!」

 冬木の虎、覚醒。
 こうなったら俺にはもう止められない。

「ふ…… あまりの美味さに感動でもしたのか?」

 藤ねぇの覚醒に動じもせず、金ぴかストーカー呼ばわりされた事にも気付かずに金ぴかはどっしりと構えている。

「こんな物は料理とは呼べないのよ! 士郎、お手本!」

「はいはい……」

 下手に逆らうと火に油を注ぐ結果になるのでおとなしく従う。
 夕飯時からかなり経っているのですぐにできる料理にしよう。

「桜、時間も無い事だし手伝ってくれ」

「わかりました、先輩」





「わかった? これが本当の料理なのよ!」

「くっ…… 我に勝る物を出してくるとは……」

 ……本気でアレが美味いと思ったのか? この金ぴかは。

「なあ…… 念の為に聞いておくけど、味見はしたか?」

「味見とは何だ?」

 ダメだ、こいつ。

「人に食べてもらうんだから、自分でも美味いと思えるものを出さなきゃダメだろ? だから、一口だけ食べてみて美味いかどうかを確認するんだ」

「そうか…… そんな簡単な事にも気付かなかったとは……」

 本当に簡単な事だよ。これは。

「待っていろ、セイバー! 今にこの雑種を越える料理を作ってみせる! その日まで勝負は預けておこう!」

 そう言って颯爽と去って行く金ぴか。内容はアホみたいだが。





 そして、聖杯戦争が終結した。
 セイバーは元の時代へと帰り、生涯を全うした事だろう。
 聖杯戦争の間、金ぴかは本当に襲ってこなかった。
 それどころか姿を一度も見かけなかった。
 俺達は金ぴかの事をすっかり忘れて日常に戻っていった。

「待たせたな、セイバー。今こそ我の物になる時だ!」

 忘れた頃にやって来る金ぴか。

「あ〜…… 悪いけどもうセイバーはいないぞ?」

「……何だと?」

「もしかして聖杯戦争が終わってる事に気付いてない?」

「それは本当か!?」

「だったらサーヴァントの気配を探ってみろよ。そうすればわかるだろ?」

 しばらく難しい顔をして黙り込む金ぴか。

「……どうやら本当に聖杯戦争は終わっていたようだな」

「ま、落ち込むなよ。料理の腕が上がったんだから、今度会えた時に振舞えばいいだろ?」

「……雑種。たまにはいい事を言うな」

 失礼だな。俺はいつだっていいことを言ってるぞ?

「次なる聖杯戦争を求めて我は旅に出る。見送りはいらないぞ」

 いや、見送りに来いと言われても行かないから。

「次に会う時はセイバーは我の物となっている。期待して待っているがいい!」

 いや、もうセイバーは現界しないぞ。多分。
 ま、教えない方が幸せか。

 衛宮家から去って行く彼の背中は輝いてみえなかった事も無い。









    後書き風味の即席コント

シロ「やっちまったSS第2弾!」

金ぴか「メインは我か。中々いいセンスをしているな」

シロ「お褒め頂くとは嬉しい限りです(内容読んでないのか?)」

金ぴか「セイバーが我の物となる過程を描いた物だな?」

シロ「そう見えない事も無いですよね(都合のいい所だけを読んだのか)」

金ぴか「さて、我は一刻も早くセイバーに会わねばならん」

シロ「そうですか。頑張ってください(だからもういないんだって)」

金ぴか「貴様も見送りには来なくていいからな」

シロ「はい。わかりました(だから呼ばれても行かないって)」

金ぴか「では、また会おう!」

シロ(もう会いたくねぇなぁ〜)

シロ「さて、今回お送りしたのは、執筆時間1:30と言う超力作!」

赤弓「それはただのやっつけ仕事だ」

シロ「ちなみに構想は5分!」

赤弓「ただの思い付きだ、それは」

シロ「しかも昼寝から覚めた後の寝ぼけた頭!」

赤弓「本当に電波だな」

シロ「で、あんた誰?」

赤弓「アーチャーだ」

シロ「悪いねぇ。影薄いから忘れてたよ」

赤弓「……行くぞ、筆者。電波の受信は十分か」

シロ「はい、そんなこんなの駄作ですが読んでくださった皆さんに多大な感謝を!」

赤弓「……無視かよ」

シロ「では、また今度会いましょう〜」