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 太陽が頂点に在る時間。

 雲ひとつない快晴の下、一際喧騒に巻き込まれた空間がある。

 風見学園。

 そこはいま、まさしく学園の華とも呼ばれるイベント、学園祭の真っ最中だった。

 グラウンドには多くの出店が並び、教室は教室で色々な出し物などを展開している。行き交う人もまた多く、それだけこの初音島において風見学園のポジションというものがわかるものだ。

「はぁ・・・。かったるい」

 そんな風見学園の屋上、手摺に肘を突きながらつまらなそうにグラウンドを見下ろす青年がいる。

 否、つまらなそう・・・というよりはとても気だるげと言うべきか。

 彼、朝倉純一は吐息一つ。そのまま床へと倒れこみ瞼を閉じる。

「・・・このまま寝ちまうか」

 彼にとって学園祭とはかったるいことの代名詞だ。

 そして今年は一際かったるい状況になっていた。

「・・・そりゃあ、わかるけどな」

 その状況も、まぁ納得できるものではあった。

 だが純一は面白くない。

「・・・かったるい」

 ごろん、と寝返り一つ。

 そのことは仕方ない。もう既に決まったことだし・・・なによりもう始まっていることだ。

 だからいまは忘れて寝よう。そうすれば、学園祭もきっと終わっているだろうから・・・。











               ネコ耳メイドは蜜の味?











 風見学園。

 校舎内。某教室。

 そこは朝倉純一のクラスが出し物を開いている教室。

 そこにはもう、見渡す限りの人、人、人。

 教室の中から廊下まで。数多くの人が列を成し、最後尾には某夢の魔法の王国のように看板で『一時間半待ち』。

 しかもその大半が男である。

 どういうことか?

 それは即ちそのクラスの出し物に秘密があった。

 教室の入り口付近。そこには小洒落た看板が置かれており、こう書かれてある。

『ネコ耳メイドカフェ 〜甘いお菓子はいかが?〜』

 ・・・・・・。

 まぁ、とにかくそんなわけでこの出し物はとても繁盛していた。

 しかもそのクラスはとてもレベルが高かった。

 教室内。満席のテーブルの合間を縫うようにして、黒いメイド服を着込み頭にネコ耳をつけた少女たちが歩き回っている。

 まずは白河ことり。

 学園のアイドルと呼ばれるほどの美貌を持ち、また性格も良い彼女。そんな彼女の笑顔と共に紅茶を差し出されたら誰もが陥落するだろう。

 そして朝倉音夢。

 純一の妹にしてミスコンで白河ことりと競り合ったほどの実力者である。彼女の余所行き用猫かぶりモードもここでは健在である。

 さらに水越眞子。

 前者二名には劣るとはいえ十分に整った顔立ちをしており、特にその性格から後輩の女子に好かれている。この出し物での客の女性層はそのほとんどが眞子目当てだろう。

 その他、胡ノ宮環や紫和泉子といった面々も奮闘している。

 そして最後に・・・、

「お待たせしました、ご主人様」

 声と同時にことん、と紅茶のカップがテーブルに置かれる。その動作一つ一つが優雅であり、淀みがない。

 そうして見上げたその表情は、見ほれてしまうほどの爽やかな、そして控えめな笑顔だった。

「ごゆっくりどうぞ」

 一礼し去っていく少女。振り返ると同時にふわりと揺れた長髪を追うように釘付けになっていた男子生徒たちが、一気に囁きあう。

「おいおい、白河や朝倉、水越以外でもあんな可愛い子いたか!?」

「い、いや知らない。もしかしてあれがこの前来た転校生ってやつなのか・・・?」

 噂にされているなどとは知らないその少女はスタスタと奥へと下がっていき、トレーを置いて一息吐いた。

「ご苦労様、鷺澤さん」

「あ、はい」

 裏でサンドイッチなど軽食を作っている女生徒に声を掛けられその少女―――鷺澤美咲は笑みを浮かべた。

「白河さんや朝倉さん、水越さんのおかげもあるけど、鷺澤さんも大活躍だねー」

「い、いえ、そんな。私は別に・・・」

 かぁ、と美咲の頬が赤くなる。それを女生徒は眺めて、

「謙遜謙遜。鷺澤さん自身が可愛いっていうのもあるんだけどさ、なんだろう、こう・・・動きに無駄がないというか?

 メイドさんよりメイドらしいというか・・・そんな感じがすごいと思うよ?」

「あ、あはは・・・」

 思わず苦笑い。実は数ヶ月前までメイドやってました、とは言えない。

 まぁ、その辺は色々と訳ありなわけだが・・・ここでは割愛しよう。

「はぁ、疲れたー。・・・お、美咲。お疲れー」

「あ、眞子さん。お疲れ様です」

 そこへ疲れたように肩を回しながら眞子がやって来た。すると彼女はやれやれ、と息を吐きトレーを脇に放ってしまう。

「まったく・・・休む暇もありゃしないわ。ったく、どうして男って・・・こういうの好きなのかしらね?」

 スカートの裾を掴み上げながら眞子は心底不思議、と言わんばかりに大きく嘆息。

「さぁ・・・。やっぱり普通じゃあり得ないからじゃないの? それとも純粋に可愛いから?」

「あー、なんか前者の方が真に迫ってるかもね」

 食事係りの女子の言葉に相槌を打ち、眞子は手近にあった椅子を引き寄せゆっくりと腰を下ろした。

「しかし・・・この忙しいときに朝倉はどこ行ってんのかしら」

 ピクリ、と美咲の眉が跳ねる。しかし、眞子はそれに気付かずブツブツと怒りの言葉を吐き出す。

「あいつ、最後までメイドカフェに反対してたけど、決まっちゃった以上は仕方ないじゃない。

 当番もサボってエスケープとは・・・見つけたらタダじゃおかないんだから。

 ねぇ、美咲?」

「え、ええと・・・」

「あはは、駄目だよ水越さん。鷺澤さんは朝倉君にホの字だから、なに言ったって無駄だよ、無駄」

「むっ・・・。そっか、美咲は朝倉の味方なのよね」

 と、半目で睨み上げられる。

「あ、あは、あはははは・・・」

 それに対して美咲は苦笑いを浮かべるしかない。

 ―――もう、純一さん。恨みますよ〜っ。

 美咲からすれば完全にとばっちりである。

 だが、彼女たちは一つ、勘違いをしている。

 それは美咲が純一に惚れているのではなく・・・・・・二人は、相思相愛で、いまは彼氏彼女の関係だということだ。







 不意に、カラスの鳴き声が耳に届いた。

「・・・ん、んん?」

 目を覚ます。

 視界に入る色はオレンジ。次いで、機能してきた耳は受け取るのは引いていくようなわずかなざわめき。

「あ、つつつ・・・」

 コンクリの上で寝た代償か、痛む腰をさすりながらゆっくりと身体を起こして周囲を見やる。

 空は、もう夕焼けに染まっていた。

「どうやら・・・大分長い間寝てたみたいだな」

 ポケットから携帯を取り出してみれば、時刻は既に午後五時半を過ぎている。

 学園祭も終わり、いまはちょうど片付けの佳境だろうか。

「・・・んー」

 片付けくらいは手伝うべきだろうか、とも思ったが、それも一瞬。片付けだけ出たとしても怒りを喰らうのなら出ない方が良いだろう。

「・・・じゃ、帰りますか」

 と立ち上がり、

「あ」

 気付く。

 ―――鞄を教室に置きっぱなしだ。

「かーっ、くそ。どの道教室には行かなくちゃ駄目か」

 ボリボリと頭を掻きつつ、ぼやく。だがぼやいたところで状況が好転するわけでもない。

 大きなため息を一つ。純一は散漫な動作でゆっくりと屋上を後にした。







「ふむ・・・。どうやら片付けもほとんど終わってるみたいだな」

 校舎に入ってみて気付く。

 教室、廊下。どちらにも人の姿はほとんどいなかった。どうやら片付けはとうに終えてあり、いまは後夜祭の準備のようだ。

 とすると、先程耳に届いたざわめきはグラウンドの方だったのだろう。今頃はキャンプファイヤーの土台の組み立て中だろうか。

 だが、それは純一にとってチャンスである。誰に咎められることなく教室から鞄を持っていくことが可能なのだから。

 自分の教室の前に着く。一応その場で立ち止まり、耳を澄ましてみた。

 ―――話し声もなにもしないな。

 まぁ、別にそこまでしなくてもいいだろうと自分でも思っているのだが、どことなくこういう、人がいない校舎というものを自分が楽しんでいるようだ。

「んじゃ、誰かに見つかる前にさっさと―――」

 ガラリ、と扉を開けて目の前の光景を見やり・・・思わず純一は動きを止めた。

 窓が開いている。そこから風が吹く。

 その風に撫でられて、ふわりとたゆたう綺麗な髪と、ネコ耳。

 夕焼けに栄える、端正な横顔と、メイド服。

 ・・・いや、もうなにがなんだか。

 そしてその少女はこちらの存在に気付き、振り向いて・・・にこりと微笑んだ。

「おはようございます、純一さん」

「・・・・・・」

 無言。それしかいまの純一に許された行動はなかった。

 次いで、思考。

 誰もいないはずの教室に、少女がいる。

 しかも見知った少女だ。

 いや、というかむしろ自分の彼女だ。

 その彼女である、鷺澤美咲が、なぜかこうしてネコ耳メイドの格好のままそこに立っている。

 ・・・なぜに?

 思考は一向にまとまらないのだが、とりあえず純一は反射というか、それに近いアクションで口を開く。

「・・・お、おはよう。美咲」

「はい」

 再び会心の笑み。つられてネコ耳が小さく揺れた。

 なんというか・・・とても可愛かった。

「・・・純一さん?」

「はっ」

 ぶんぶんと首を振る。どうやら見とれてしまっていたらしい。

 落ち着け、と自分に言い聞かせて、教室に足を踏み入れた。

「美咲・・・。どうしてここにいるんだ? いまはもう後夜祭の準備だろう? それに・・・なんだ、その格好は?」

「どうしてここにいるか、は純一さんを待っていたからです。ここに鞄もありますし、どうせ屋上で寝ているだけだと思っていたので、ここで待っていればいずれ来るだろう、と」

 ―――鋭い。

 あまりに的確な読みだ。そんなに読まれやすい行動を取っているのだろうか、と少しばかりのショックを禁じえない。

「で、この格好は・・・その・・・えっと、純一さんに・・・見て、ほしくて・・・」

「・・・え?」

「あ、いえ、あのっ。えと・・・頼子のときにもう見慣れているとは思うんですけど・・・、その・・・、やっぱり純一さんには見て欲しくて・・・」

 顔を赤くして俯きながら、指を交差しつつごにょごにょと呟く美咲。なぜかそのネコ耳も微妙に垂れ下がっているように見えて、

 ・・・なんというか、とても抱きしめたくなるというかなんというか。

「え、あ、あの・・・!?」

 というか、既に抱きしめていた。

 あぁ、思考よりも身体が勝手に動く自分が恨めしい。・・・グッジョブ、俺の身体。

「じゅ、純一・・・さ、ん?」

「可愛いよ、美咲。何度見たって、可愛いもんは可愛いさ」

「あうあう・・・!?」

 慌てる美咲も愛おしい。

 そんな思いを伝えるかのように、さらに抱く腕に力を込める。

「・・・・・・」

 すると美咲もゆっくりと、純一の胸に手を添えた。

 伝わってくる体温。その温かさに、純一は先程までの不機嫌さが霧散しているのに気が付いた。

「あ、あの・・・」

「ん?」

「・・・その、どうして学園祭出てこなかったんですか?」

「む・・・」

 そこで再び純一の顔が歪む。

 だが、視線を下ろせば心配そうな美咲の見上げる視線。

 嘘を・・・つくわけにもいかないだろう。だが・・・・・・正直に言うのもなんとなく・・・恥ずかしい。

「あー・・・言わなきゃ、駄目か・・・?」

「言って欲しいです」

「どうしても?」

「どうしてもです」

 あー、とかうー、とか意味のわからない言葉のみが口から出てくる。

 ・・・仕方ない。腹を据えよう。

「その・・・な。嫌だったんだよ」

「嫌・・・ですか?」

「だからー、そのー・・・美咲が、メイド服を着て・・・あー、・・・他の男たちの前に出ること・・・が」

「・・・え?」

「に、二度は言わんぞ、二度は」

 言って顔を背けるが、シャツをぎゅっと握られる感覚に、顔を戻してしまう。

「美咲?」

「え、あ、その・・・なんというか。それって・・・やきもち、ですよね? なら・・・とても・・・嬉しい、です」

 頬を赤くしながら、にっこりと笑う美咲。

 それを見て・・・・・・朝倉純一の中でなにかが切れた。

「美咲・・・」

「え、あの―――ん、んむぅ・・・!」

 強引に、唇を奪う。

 唇を舐め、そのまま舌を美咲の唇の中へねじ込んでいく。

 最初はいきなりなことに抵抗していた美咲も、強張った身体が弛緩していくと同時にそれを受け入れた。

「ん・・・む、ちゅ・・・む・・・ぷはぁ」

 しばらくして唇を放し・・・美咲は頬を赤く染めながらも、むぅ、という表情でこちらを見上げてくる。

 そんな美咲がとても愛おしく、純一は笑みだけを浮かべる。そして美咲が何かを言おうとする前に先制で、

「だって、美咲が可愛くてさ」

「〜〜〜〜〜!?」

 ボン、と音がするかと言わんばかりに顔を赤くしてしまう美咲。

 そんな美咲に、純一の意地悪心がむくむくと込み上げてくる。

「なぁ、美咲」

「は、はい?」

「ここでえっちするか」

「......................・・・・・・・・・・・・・・・・は、い?」

「『はい』か。よし、許可もいただいたことだし、早速・・・」

「え、え、え!? ちょ、ちょっと待って純一さん!? その、いまの『はい』は決して、その、そういう意味では、あの・・・!?」

「嫌か?」

「えぇっ!? い、いえ別に嫌というわけでは・・・なくて、ですね。で、でもその・・・いつ人が来るかもしれないし、その、まだメイド服のままですし・・・」

「メイド服はさ、頼子のときにたしかにしてたけど・・・。でも、メイド服でしたことはなかったじゃん。だから、してみたい」

「あ、あぅ・・・」

「あと人が来ることに関しては―――」

「関しては・・・?」

「その方がスリルがあって燃えるだろ、ってことで♪」

「そ、そんな―――んむっ!?」

 まだなにか言いたそうな美咲の口を唇で塞ぎ、そのまま適当な机の上に美咲を組み敷く。

「ちょ、ちょっと待って純一さん!」

「待たない」

「そ、そんな〜〜〜」

 とりあえず服の上から胸を揉みしだく。

「あ、あんっ」

「へぇ・・・」

 学園祭用に作られた衣装だから、もう少し安物なのかと思ったが・・・なかなかどうして普通なようだ。

 手触りの良いその質感に促されるように、純一はゆっくりと手を這わせる。

「は、あ、あぁ・・・。じゅ、純一さ、ん・・・。ホントに、ここで・・・する・・はぁん、です、か・・・ぁ?」

「もちろん」

「はうぅぅぅ・・・」

 左手を胸に這わせたまま、もう片方の手をゆっくりとスカートの中へと潜り込ませる。

「え、あ、純一さん!?」

 それに気付いた美咲が慌ててその腕を静止しようと動き回るが、無駄だ。この体勢から純一の腕の動きは止められない。

 白いオーバーニーソックスを越えて、ゆっくりとその腕は下着へと辿りつく。

 触れてみれば、そこは既に少し濡れていた。

「い、いやぁぁ・・・」

 あまりの恥ずかしさに、美咲は両手で顔を隠してしまう。

 そんな美咲をよそに、純一の手の動きは徐々に過激になっていく。

「ふぁ、だ、駄目です純一さん! はぁう、あ、あ、声、で、出ちゃい・・・ますぅ!」

「聞かせて欲しいな、美咲の声」

「じゅ、純一さんのバカ・・・あ、あ、ぁあ!」

 必死に声を押し殺そうとする美咲を煽るように右手はショーツの中に指を潜らせ、左手は服の上から尖った起立を摘み上げた。

「ひゃ、ひゃうん!? だ、駄目です純一さん! そんな、ふぁ、一緒になんて・・・あんっ! か、感じすぎちゃい・・・ま、すよぉ!」

 純一は聞く耳を持たない。

 ショーツの中でくちゃくちゃと卑猥な音が聞こえ始める。それに比例して美咲の顔も赤くなっていくのだが、無論動きを止めたりしない。

 むしろ余計に激しく動かし始める。

「は、あぁあ・・・! そんな・・・音をさせないでくだ・・・さいぃ!」

「でも、気持ち良いんだろ?」

「そ、それは・・・・・・・・・・・・そ、そう、ですけ、ど・・・」

 その返事に純一は笑みを持ち、さらに美咲の秘所を弄っていく。

「はあぁぁん!」

 最初は中指一本だったものを、人差し指を追加して二本にする。

 そのまま内壁をこするようにして動かすと、キュッ、と膣が純一の指を締め上げた。

「は、はぁぁぁぁ・・・だ、だめぇぇぇ」

 しばらく動かして抜き去れば、純一の掌には美咲の秘所から零れた蜜が大量についていた。それが窓から入る夕日に反射してキラキラと輝いている。

「ほら、美咲」

「わ、わ、そ、そんな見せないでくださいっ!」

「ははは」

「笑い事じゃないですよ、もう・・・!」

 確かに、美咲の秘所はだいぶぐっしょりと濡れており、スカートの内部にも垂れてしまっている。

 そこに少しばかりの罪悪感を感じながらも、純一は止まらない。止められない。

「美咲・・・」

「・・・・・・もう、そんな顔で見られたら・・・許しちゃうじゃ、・・・ないですか」

 美咲のスカートを外し、ショーツも脱がせる。美咲は終始恥ずかしそうであったが、それとなく邪魔にならないように動きをとっていた。

 純一にとって救いだったのはこのメイド服が上下同一型ではなかったことだ。上着部分とスカート部分がくっついていれば、おそらく脱がすことが出来ずにおろおろしていたに違いない。

 ―――そんなのかっこ悪いしなぁ。

 その場合の予想図を頭に浮かべ、純一は思わず失笑した。

「純一・・・さん?」

「あぁ、いや、なんでもないよ」

 そしてエプロンを取り外し、上着をたくし上げ、ブラも捲り取る。が、それだけだ。

「え、あの・・・上着は脱がないんですか?」

「それじゃあ、いつもと一緒じゃんか? たまにはこういうのも良いかなー・・・なんて」

「で、でもネコ耳もニーソックスも着けたままなんですけど・・・?」

「そこはほら。・・・男のロマン?」

「な、なんなんですかぁ、それは・・・?」

「いや、なんだろう。俺もよくわからない」

「は、はぁ・・・」

 首を傾げる美咲をよそに、純一は膝を地に着けると、顔を美咲の秘所に近付けていく。

「え、純一さ・・・あぁん!」

 てらてらとオレンジの光に反射する蜜を舐め取り、そのまま奥まで舌を突き刺していく。

 秘所からは大量の蜜が溢れ、女の匂いを強く醸し出していた。

「もう、いいかもな・・・。良いか、美咲?」

「い、嫌だって言っても純一さんは・・・する、でしょう?」

「いや。美咲が本当に嫌がるなら俺はしない」

 それはそうだ。

 自分の好きな人が本当に嫌がることを、したくはない。それは偽りない、純一の本心だった。

 そんな真摯な目を見て、美咲はどこか拗ねたように、

「・・・・・・そんな言い方も、意地悪です。そんなこと言われたら・・・頷くしかないじゃ・・・ないですか」

 そんな美咲に純一は優しい笑みを浮かべ・・・そして分身を取り出すとゆっくりと秘所へあてがった。

 そのまま互いの蜜を絡めあうようにして・・・そして、挿入する。

「あ、あ、あ、あうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」

「くっ・・・、美咲、いつもよりきつい!」

 服装の違いか、状況の違いか。おそらく両方の影響で美咲の膣はいつもより激しく戦慄いていた。

 負けじと純一も最初から強く腰を動かし始める。

「え、あ、うぁ、あ、あ、あっ、だ、だめぇ、じゅ、純一さん・・・! は、激しすぎ・・・るぅ!」

 肉棒が根元まで沈み込み、半ばまで引き抜かれる。その繰り返しのピストン運動。

 ぱんぱん、と結合部が大きく響くほどの早いストローク。

 ときたま最奥まで突き込んで円運動をしたりと、緩急も付けてみる。

「は、あ、あぁん、ふぁ! あ、あぁ! あ、うぁ、あぁぁっ!」

 美咲の手が宙を彷徨う。それに届くように純一が腰を折ると、その手が純一の背中に回される。

「じゅ、純一さん! あ、あ、あ、ああぁぁっ、き、気持ちいい! ふぁ、あ、はっ、と、とっても・・・気持ちいいですぅ!」

「お、俺もだ・・・美咲っ!」

 結合部からはもうこれでもか、というほどの蜜が零れ落ち、机を濡らしている。

 喘ぐ美咲の頭ではネコ耳が絶えず揺れ動き、同調するように豊満な乳房も跳ねている。

 美咲の瞳はどこか虚ろになり始めている。そろそろ限界のようだ。

 ―――俺も、もう無理か・・・!

「美咲! 俺、そろそろ・・・!」

「はぅ、は、あ、あ、あぁ! わ、私も・・・! 私ももう、い、イっちゃいますっ!」

「美咲・・・!」

「じゅ、純一・・・さん! な、中に・・・! 私の・・・膣に出して、ください・・・!」

 背中に回された手にギュッと力が込められる。

 それが合図であったかのように純一は一際強く打ち付けて―――、

「あ、あ、あああ、あぁぁ、は、はっ、あ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「っ!」

 猛る肉棒から大きく精が溢れ出す。

 身体を大きく仰け反らせた美咲は、ゆるゆると身体を弛緩させると、机にその長い髪を散らせた。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 純一がゆっくりと自らの分身を抜き去る。

 すると、収まりきらなかった白い液体がゆっくりと美咲の秘所を伝っていった。

「はぁ・・・はぁ・・・あ、あつい・・・。純一さんのを・・・・・・お、奥で・・・感じます・・・」

 腹の中に感じる、熱い・・・否、温かい感触に美咲は身悶え、そして・・・優しく微笑んだ。







「あ〜あ。これ、どうしましょう・・・」

 情事が終わってしばらく。

 ようやく二人がいつもの調子に戻り周囲を見渡してみれば・・・そこはなかなかに凄まじい状況となっていた。

 机と床にはいまだキラキラと反射する液体が点在し、放り出された衣服もある。

「ま、ゆっくりと片付けるしかないな」

「ゆ、ゆっくりとなんて悠長なこと言ってちゃ駄目ですよ! はやく片付けましょうっ!?」

「まぁ・・・多分大丈夫だって」

「純一さん!? いったどこからそんな余裕が―――」

「グラウンド、見てみ」

「え・・・?」

 美咲は言われるがままグラウンドを見下ろしてみる。

 すると完成された櫓に、いまにも火を灯そうかとしているところだった。

「いまにも後夜祭が始まるってときに、教室に戻ってくる酔狂な奴はいないだろ?」

「で、でも、絶対ってわけじゃ―――」

 振り返り反論しようとして・・・、しかしその口は閉ざされる。

「・・・ん。・・・純一さん、卑怯です」

「あはは。ま、気にするな」

「もう・・・」

「美咲。好きだ」

「・・・はい。私もです。純一さん」

 再び互いの距離が零になる。

 背後に大きな炎を飾り、二人の影はまた重なり合ったのだった―――。











 あとがき

 ・・・えーと、頑張ったと思いますと言いたい、どうも神無月です。

 いや、まぁリクですし・・・。18禁ですし・・・。敢えてなにも言わない方向で。

 くそぅ、やっぱこういうの書いてると精神的に疲れるなぁ・・・。

 ちなみにネコ耳メイドin美咲はでっきさんのリクです。もう、これを使ってのシチュにどれだけ苦労したことか・・・。

 はぁ・・・もはやなにも言いますまい。

 以上、神無月でした。






管理人の感想
気合と根性と運で掴み取った、リク権を行使して作ってもらったものです。
頼んだ注文としては……ネコミミメイド、メインは美咲、文化祭。でしたーw
いやー、できるタイミングがいいですねぇ。
猫禁猟区と出会った後だなんて……美味しくいただきましたよー(ぉぃ